育児のなかで、離乳食、おむつ外しの次にぶち当たる壁の1つに、「自転車」があるのではないでしょうか。社会生活するためには必要な技能ですが、トイレトレーニング同様、自転車も訓練なくしては乗れるようになりません。
ただ、近年は少子化が進み、子育てに向けられる目は厳しくなっています。今は、私たちが子どものときのように、道路で気軽に自転車の練習ができません。自転車の乗り入れが禁止されている公園も多くなりました。ずっと乗れないままで中学生になり、自転車通学が始まる前に必死で練習したという話もよく聞きます。よっぽどの田舎か、整備された広い庭でもない限り、かなり意識して親が関わっていかないと、子どもが自転車に乗れるようにならないのが現状です。
歩いて、おむつがはずれたら、自転車練習スタートのチャンス!
訓練すれば、早いと2歳ぐらいで自転車に乗れるそうですね。遊びの延長ですんなりできる子はそれでよいのでしょうが、それぐらいの時期はおむつ外しや幼児食、お母さんの職場復帰などで四苦八苦していますね。成長課題が次々に押し寄せてきて忙しい時期です。
うちは、子ども2人とも、3歳の盆休みにおむつ外しをしました。私が仕事を休める10日ぐらいで一気にやりました。そして、上の子が4歳、下の子が3歳の秋から、自転車の練習スタートです。トイレの心配や大量の荷物とお別れする頃が、いちばん楽だったからです。
自転車でバランスをとって進む=ハンドリング+ペダリング
自転車に乗れるようになるためには、進行方向を決める「ハンドリング」と、前進するための「ペダリング」が身についている必要があります。さらに、バランスをとるために、ハンドリングとペダリングの両方をうまく連動させないと倒れてしまいます。
自転車の前に三輪車に乗っていると、ハンドリングとペダリングは自然に身についてきます。しかし、ペダリングで前進させつづけながら、ハンドリングで重心やバランスをとる感覚は、三輪車では身につきません。
そこで、キックボードやスクーターなどのペダルのないランニングバイクに乗り慣れると、ハンドリングとバランスが身につくと言われています。
三輪車とランニングバイクの両方に乗れれば、自転車はあっという間に乗れるようになります。
練習用の自転車を買うタイミングは小さいうちがベスト
練習用の自転車選びと、買うタイミングはけっこう重要だと思いました。子どもが小学校に上がってしまうと、身体が大きくなってしまい、乗る自転車も大きくなるので、車に入れて運べなくなってしまうからです。また、身体も自転車も小さめの方が、上達するのが早いです。
3・4歳くらいで自転車を買っておくと、小学校の低学年までは乗れます。その間に乗れるように練習し、その後は、成長に合わせて小学校で1・2回、中学校で1回ぐらい買い換えれば済みます。
練習用自転車選びの条件
練習用の自転車は、
- ペダルの取り外しができる
- 軽い
- 安全で信頼できるメーカーのもの
を条件に選びました。
ペダルの取り外しができる自転車の良い点
昔は、補助輪のついた子ども用自転車をよく見ましたが、結局三輪車と同じなのでバランスをとる練習が必要になります。今は、ペダルの取り外しができるものが売っているので、最初はランニングバイクとして使い、バランスがとれるようになってからペダルをつける方が効率よく乗れるようになります。
うちは、男の子2人なので、ミニカー、プラレール、ラジコン、三輪車、ローラースケート、スケボー、自転車と、どうしても家の中が車輪だらけになります。ランニングバイクと自転車が一台二役なのは助かりました。
また、ランニングバイクとしてペダルを外しても、ハンドルにはきちんとブレーキがついているのも良い点です。ブレーキの練習もできるし、坂道でも自分で止まれるので安全です。
軽い自転車が一番
子どもにも親にも、自転車の重さは重要です。
子どもにとっては、練習中に倒れたときに自分で持ち上げて起こせる重さであることは必須です。重い自転車だと起こすだけで一苦労で、練習中に挫けるときがあります。また、親にとっても、自転車の出し入れや運搬の仕事があるので、お母さんでも簡単に扱える軽い自転車の方が便利です。
我が家は年子が同時に自転車の練習を始めたので、練習できる場所まで2台の自転車を車に載せていく必要がありました。自転車の積み降ろしが大変なので、軽い物にして正解でした。
値段よりも、安心・安全
ネットで子ども用の自転車を探すと、値段はピンからキリまでありますね。1万円以下のものから、3万円ぐらいのものまで幅が広いです。
消費者庁や自転車産業振興協会のホームページなどを見ると、中国製自転車のなかには強度不足のものや発がん性物質や鉛などの有害物質が検出されているものもあるとのことです。やはり、多少はお金がかかっても、信頼できる安全なメーカーのものを選びたいところです。
「ケッターサイクル」と「へんしんバイク」の比較
我が家では、上記を踏まえて、4歳の上の子にピープルの「ケッターサイクル」、3歳の下の子にビタミンiファクトリーの「へんしんバイク」を同時に買って練習をはじめました。以下は、使ってみて気がついたことです。
ケッターサイクル(ピープル 現:Top)Amazon公式サイト\29480

- 日本の会社らしいしっかりとした作りで、塗装も厚い。
- 長く使っても、ブレーキの緩みやタイヤの空気抜けなどがない。
- 12・14・16・18インチとサイズが豊富で、おしゃれな色が選べる。
- サドルの後ろに持ち手がついていて、親がサポートしやすい。
- トイザらスなどの実店舗でも販売していて実物が見やすく、ネット上でも在庫が豊富で手に入りやすい。
- 泥よけなどの付属品が別売りで買え、長く使える。
- へんしんバイクとくらべると9.3㎏とやや重い。
へんしんバイク2(ビタミンiファクトリー)公式サイト\23100
- 練習のアドバイスや、組み立て動画、講習会、メール、葉書など購入後のサポートが充実している。
- 自転車の箱が、ペダリングやブレーキ練習用の固定器具になっている。
- スポーティーな見た目で、男の子受けがよい。
- ペダル装着時6.3㎏で、とにかく軽い。
- 希望のサイズや色が売り切れていることが多い。
- 長く乗ると、ブレーキの緩みやタイヤの空気抜け、部品の脱落などがたまにあるので、乗る前にメンテナンスが必要。
とにかく早いうちに自転車に乗れるようにしたい人は
子どもが小さいうちに、できるだけ早く、短期間で自転車に乗れるようにしたい人は、へんしんバイクの方がおすすめです。
とにかく軽いので、子どもが扱いやすく、メーカーの方も、「すぐに乗れるようになる」ことを売りにしてサポートを充実させています。励ましやアドバイスのメールと葉書が届きます…♡
へんしんバイクを使っていた下の子は、ランニングバイクが大好きすぎてなかなかペダルをつけてくれなかったのですが、購入して半年後、ゴールデンウィークの最初にペダルをつけたら、連休中に乗れるようになりました。
メーカー保証が1年ということで、その間には乗れるようになりますし、大きな故障はありませんが、数年乗っていると、ネジのカバーが取れたり、タイヤの空気が抜けやすくなったりしてきます。先日、夫がブレーキの緩みを発見して、ネジを締め直しました。
自転車に乗れるようになったら、子どもの成長に合わせて、早めの買い換えが必要かもしれません。
ゆっくり練習して、長く使いたい人は
練習のスタートが遅くなってしまったけど、子どものペースで練習させて、長く自転車を使いたい人は、ケッターサイクルの方がおすすめです。
上の子は、4歳からの練習だったので、下の子よりも少し苦労していました。(結果的には、弟よりも早く乗れるようにはなりましたが…)身体が大きいと、転んだときのダメージが大きくなります。自転車も、弟より重い方を使っていたので、起こすのに苦労していました。
しかし、作りが丁寧なケッターサイクルは丈夫です。かなり倒れましたが、特に故障はありません。また、購入して丸3年たった今でも、何の不調もなく乗れます。別売りで泥よけも購入できるので、長く使うことが想定された作りです。デザインも男女兼用でおしゃれな感じです。
他のメーカーにも、良い自転車が…
初めに決めた条件にしたがって自転車を探していると、他のメーカーでもよいものを作っていました。実際に使用していないのですが、購入候補に挙がったものを紹介します。
ちなみに、上の子は14インチで緑色、下の子は12インチで青という条件も加えて探しました。
DUAL RIDER×D-Bike(アイデス)Amazon公式サイト

- 三輪車のD-Bikeで有名なメーカーなので、信頼できる。
- ペダルの付け外しに、工具が不要。
- サドルの後ろに持ち手がついている。
- 重さ6.8㎏(ペダルの装着時かは不明〉
かなり迷いましたが、サイズが12インチ、色がカーキとレッドのみだったので選びませんでした。マット調の塗装で、これもきっと素敵だと思います。

- キックボードで有名なストライダーの製品なので、信頼できる。
- 2年保証で安心
- ペダル装着時の重さが7.4㎏
色は水色・ピンク・オレンジの3色できれいですが、サイズが14インチのみだったので、選びませんでした。また、アフターサポートがしっかりしているとのことでしたが、アメリカの企業なので、電話番号とメールアドレス以外の会社情報が公式サイトに載っていないことが気になりました。
まとめ
正直、子育てが始まるまで、子どもを自転車に乗れるようにするのがこんなに大変だとは思いませんでした。まず、練習場所が家の近くにありません。
自分たちのときは、なんとなく子ども用の自転車を買い与えられて、家の周りの道路で転んで血だらけになりながら、自分で練習したのですが…
今は、練習場所を探して、そこまで自転車を運んでやらなければなりません。お母さんのワンオペ育児だと、これだけでハードルが高いんですよね。ちなみに、我が子には、5歳から12歳までの同年代のいとこがいるのですが、まだ全員自転車に乗れません。共通点は、地方都市在住で子ども複数でワンオペという点です。
今回紹介した自転車は、どれも軽自動車に2台積むことができます。私はトランクに1台、後部座席の足元に1台積み、子どもを2名乗せて練習に行きました。自転車選びを間違えずに練習すれば、かなり短期間で乗れるようになると思います。
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